
懐かしの雑誌がずらり並ぶ
今年1月、コンビニエンスストア大手3社が、8月末までに成人向け雑誌の取り扱いを中止することを発表した。街のコンビニからエロ本が消えるまであとわずか。多くの人が性に多感な時期に、その時代のエロ本のお世話になったのではないだろうか。
性の教科書、そして実用書として、エロ本というメディアは日本の男性たちに寄り添ってきた。戦後から21世紀にかけてのエロ本を総括する『日本エロ本全史』を上梓したアダルトメディア研究家の安田理央氏が、自身のコレクションの中から、一時代を築いた昭和末期~平成のエロ本8冊をセレクトした。
●最盛期に100万部を誇った『ザ・ベストマガジン』
創刊号の大原麗子をはじめとする一流女優の顔に水をぶっかける表紙が大きな話題となった総合ビジュアル誌。女、金、出世という男性の欲望を忠実にすくい上げた誌面が大いに支持され、最盛期には100万部以上の発行記録を打ち立てたという。
よりアダルト色の強い『ザ・ベストマガジンスペシャル』を始めとする正統な派生誌も数多く生まれたが、『ザ・トップマガジン』『ザ・ナイスマガジン』などの類似誌も他社から続々と発売された。
『ザ・ベストマガジン』/カラミのグラビアやハウトゥーセックス記事のほか村上龍の連載もあり、既存のエロ本とは一線を画すスタイリッシュさで人気を獲得した(KKベストセラーズ、1984年創刊)