
生理用品のオブジェ
6年前には春画展も開催された大英博物館にほど近いロンドン市内のカムデン地区に、世界初となる「女性器博物館」が誕生した。正式名称は「ヴァギナ・ミュージアム」。 館内は膣と外陰部の健康に関する教育や啓発の展示に特化されている。性別や年齢に関係なく入場は無料、常設館としてほぼ年中無休で開館するという。
記者が英国のミュージアムを訪れたのは、国内外メディアへ“お披露目”したオープン2日前の11月14日。数多くのメディアが集まり、BBCや『TIME』誌など約20社が報じた。館長を務めるのは、バーミンガム大学の生化学科を卒業後、テレビの科学プレゼンテーターなどとして活躍するフローレンス・シェクター氏(27)だ。
「オーストリアにはオンラインの女性器博物館がありますが、私は実際に見聞きできる博物館を作りたかった。2年前に計画を立ち上げ、クラウドファンディングで1284人の支援者から約5万ポンド(700万円)の資金を集め、若者のカルチャーが集うカムデンにこの博物館を作りました」
館内には膣の模型から日本の春画まで女性器にまつわる数多くの展示物があるが、同館のこだわりはどこにあるのか。
「主な目的は“女性器に関する俗説を取り除き、正しい構造や知識を認知させる”こと。まずは女性器の詳細な名称を記したパネルや避妊薬にまつわる俗説、“処女膜は社会が作り出した概念”などを説明する基本的な展示にこだわった。展示は半年ごとに変える予定です」