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ミラーレス一眼カメラを2台取り付けた撮影クレーン
180度、360度のパノラマ画面や、女優が迫って来て息づかいすらも感じられるような迫力ある3DのアダルトVR(仮想現実)の登場は、まったく新しいAVの表現として爆発的な人気を呼んだ。現在のアダルトVRはどうやって制作されているのか。AVメーカー「ソフト・オン・デマンド」の撮影現場を取材した。
スタジオに到着してまず目に飛び込んできたのが、工事現場で見かけるクレーンのような大きな機材。5人のスタッフが慣れた手つきでセッティングし、クレーンの先端にカメラを2台取り付ける。カメラの両脇には耳型のマイクが付く。実際に視聴者が現場で見聞きする感覚を再現するために、目となる2台のカメラのレンズの間隔はミリ単位で調整される。
「初期は小型のアクションカムを2台付けて撮影していましたが、当時に比べて機材は大型化しましたね。でもそれによって画質は以前と比較にならないほど向上しています。例えば、1秒間の動画に含まれる静止画の数(コマ数)は、これまでの30から60に増え、高精細でなめらかになりました。小型カメラでは画質には限界があり、一眼カメラを付けたこのセッティングが現在のベストです」(クワッチー監督)
セッティングが済むと同時に準備を整えた女優が入り、撮影が始まった。全裸で男優にまたがった女優がカメラレンズに迫り、マイクにささやきかける。180度のパノラマ撮影では、余計な人や物の映り込みに配慮するため、スタッフと出演者以外は撮影場所には立ち入れない。隣の部屋では、VRゴーグルをかけたスタッフがリアルタイムで映像をチェックする。シーンを変えるたびにこの流れを繰り返すのだ。