
男たちは「3密」に飢えている
外出自粛要請や感染のリスクから、キャバクラや性風俗店といった女性との「濃厚接触」を伴う店にも通いづらくなっている。そこで注目されているのが、AVを“3次元”で観ることができる「VR」だ。“飛び出すエロ動画”とも形容されるVRのアダルトビデオは何が魅力なのか。AV監督のこあら太郎(わ)監督がVR技術の日進月歩をこう語る。
「アダルトVRの醍醐味はなんといっても目の前にバストが迫ってくるかのような臨場感や、目の前の女性とキスをしたり性交に浸っているような没入感が楽しめることです。
最近の売れ筋は、おっパブ嬢やデリヘル嬢との“3密空間”で絡み合う作品です。そうした作品はゴーグルを着けて作品の世界観に入り込めるVRだからこそ楽しめます。画面だけを見ているとどうしても虚しい気持ちになりますが、本当にお店にいるようなリアル感が、通常のAVとは大きく異なります」
ではなぜ、そこまで進化を遂げたVRが旧来の作品に取って代わる状況になっていないのか。その理由はユーザーがVRを始めるまでのハードルの高さにある。AV評論家の尾谷幸憲氏が語る。
「これまでゴーグルを購入したり、専用のアプリをダウンロードしたりする作業を敬遠して、AVマニア以外の人がVRを避けていたのは事実です。しかし、自宅で過ごす時間を持て余す人が増えたからか、最近VRデビューする人が増えていて、動画の売り上げも増加しているようです。この状況が長引けば、リアル感が段違いのVRは一気に普及する可能性が高い」
関係者にとっては、この自粛状況こそ「ピンチはチャンス」と捉えているかもしれない。
◆取材・文/河合桃子
※週刊ポスト2020年5月1日号