
株式会社メルシーの高橋さなえ社長
2001年、男性主導のラブグッズ市場に画期的な女性向けバイブが登場した。その名も「オルガスター」。生みの親である株式会社メルシーの高橋さなえ社長が誕生秘話を語った。
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「オルガスター」は発売当初から口コミを中心に広まりました。当時バイブレーターというと、海外製の大きく固い物ばかり。それを女性目線から、柔らかい素材で作ったんです。
元々は産婦人科医の友人と飲んでいた話の中で「こんなグッズがあったら……」と閃き、友人からの助言も踏まえて、ささっとコースターに描いたのが「オルガスター」の原型なんです。
それまでの硬いプラスティック製とは違い、肌ざわりの良さが好評です。最初は「これは何?」とぷにゅぷにゅした触感に興味を持ってもらって、膣に当てると、“あの子”の方から「チュルン」っと入ってくる。これまでに250万個を売り上げました。
平成って、女性向けにセックスがどんどん開かれた時代だと思います。グッズショップ「ラブメルシー」にも、2004年の開店から15年ほどの間に、女性のお客様はカップルだけでなく、おひとり様も多くなりましたよ。
しかしここ最近、セックスレスが社会現象になり、男女共に個性や欲望が無くなっていることに不安を感じます。でも、そういった草食化した世代に向けても、逆に興味を持てる商品を生み出していきたいです。
取材・文■PAD
※週刊ポスト2019年3月15日号