
「血と骨」で熱演した鈴木京香(時事通信フォト)
ロマンポルノを主な舞台として、エロスを表現するために女優たちが“脱ぎ乱れた”昭和に比べ、平成の時代は「女優が脱がなくなった」と言われる。それでも本物の女優は、作品のためならば堂々と脱いだ。2000年代を代表する「傑作濡れ場映画」を振り返る。
「2000年代の濡れ場作品は、寺島しのぶという傑物を生んだ点で意義深い」(精神科医で映画監督の和田秀樹氏)
寺島は『ヴァイブレータ』(2003年)、『赤目四十八瀧心中未遂』(2003年)、『愛の流刑地』(2007年)と立て続けに脱ぎ、艶のある濡れ場を披露した。映画監督の高橋伴明氏が語る。
「『ヴァイブレータ』の寺島さんは素晴らしかった。いい意味で昭和の日本人の体型で、僕が散々撮ってきたピンク映画の女優さんに通じるものがあった」
映画評論家の秋本鉄次氏も大きく頷く。
「日活ロマンポルノの『団地妻シリーズ』で人気を博した白川和子のような、“ごく普通の女性”の醸し出すエロさがある」

東京国際映画祭のレッドカーペットに登場した寺島しのぶ(時事通信フォト)
巨乳グラドルとして一世を風靡した井上晴美も、『フリーズ・ミー』(2000年)でバストトップも露わに激しい濡れ場を見せた。
「健康的でがっちりとした肩のラインと引き締まった細いウエスト、ふくよかで張りのあるバストに目が釘付けになりました。レイプ被害にあった主人公が加害者男性に復讐していく物語で、凄惨かつねちっこいセックスシーンは、エロスとバイオレンスが見事に融合していた」(秋本氏)